シリコーンゴム材料ガイド
シリコンゴムの耐熱温度は?使用温度・耐熱性・高温環境での選び方
シリコンゴムの耐熱温度は、一般ゴム材料と比較して高く、高温環境で使用されるシール、チューブ、電線・ケーブル、EV部品、電気絶縁部品などに広く利用されています。ただし、「シリコンは200℃まで使える」と一つの数字だけで判断するのは適切ではありません。実際の使用温度は、シリコーンゴムの種類、配合、硬さ、加硫方式、使用時間、荷重、空気・油・冷却液などの周囲環境によって変わります。
シリコンゴムの耐熱温度は何度?
シリコンゴムは、耐熱性に優れたエラストマーとして知られています。
一般的な工業用シリコーンゴムでは、高温環境で長期間使用できるグレードが多く、さらに耐熱性を強化したHTV・HCRシリコーンゴムでは、より高い温度域を対象とした専用グレードもあります。
ただし、シリコンゴムの耐熱温度はすべての材料で同じではありません。
例えば、一般用途向けシリコーン、高耐熱タイプ、超耐熱タイプでは、配合設計や熱安定性が異なります。
「耐熱温度」はシリコーンゴムという材料カテゴリー全体の固定値ではなく、個々のグレードと使用条件によって決まります。
そのため、設計時には「シリコンだから何℃まで大丈夫か」ではなく、「このシリコーンゴムグレードを、この環境で、何時間使用できるか」という考え方が重要です。
シリコンとシリコーンは同じ意味?
日本では「シリコンゴム」という表現が広く使われていますが、材料としてより正確な名称はシリコーンゴムです。
Siliconは元素としてのケイ素を意味し、Siliconeはケイ素を含むポリマー材料を意味します。
ただし、日本の市場や検索では「シリコンゴム」「シリコン 耐熱 温度」といった表現も一般的に使用されています。
本記事では検索時に理解しやすい「シリコンゴム」という表現も使用しながら、材料について説明する場合には「シリコーンゴム」という名称も併用します。
シリコンゴムの一般的な使用温度の目安
シリコーンゴムの温度性能を考える場合、一般グレード、高耐熱グレード、特殊高耐熱グレードを分けて考える必要があります。
| シリコーンゴムのタイプ | 高温側の目安 | 主な考え方 |
|---|---|---|
| 一般工業用シリコーンゴム | おおよそ180~200℃前後を検討するケースが多い | 実際の連続使用温度は個別グレードの仕様を確認 |
| 高耐熱HTV / HCR | 200~250℃領域に対応する専用グレードあり | 耐熱安定剤や専用配合によって高温特性を強化 |
| 特殊・超耐熱タイプ | 250~300℃領域を対象とする製品例もある | 一般グレードとは別の専用材料として選定 |
この表は材料カテゴリーを理解するための目安です。
例えば同じ「60 Shore AのHTVシリコーン」であっても、一般グレードと高耐熱グレードでは長期熱老化後の硬さ、引張強さ、伸びなどが異なる可能性があります。
カタログに記載された最高温度を、そのまま長期連続使用温度として採用しないでください。温度と時間をセットで確認する必要があります。
「耐熱温度」と「連続使用温度」は同じではない
シリコンゴムの耐熱性を比較するときに最も注意したいのが、温度の定義です。
「耐熱温度」という表現だけでは、その温度に何分、何時間、何か月、何年間耐えることを意味しているのか分かりません。
高温に数分さらされる部品と、同じ温度で数年間使用されるシールでは、材料に要求される耐熱性が大きく異なります。
| 温度表現 | 意味 | 設計時の注意 |
|---|---|---|
| 連続使用温度 | 長期間継続して使用する温度 | 熱老化後の物性保持を確認する |
| 短時間耐熱温度 | 短い時間だけ許容される高温 | 連続使用温度として扱わない |
| ピーク温度 | 一時的に到達する最大温度 | 時間・回数・熱サイクルを確認する |
| 加硫温度 | 製造時にシリコーンゴムを硬化させる温度 | 製品の使用温度とは別の値 |
なぜシリコンゴムは高温に強いのか?
シリコーンゴムの優れた耐熱性は、そのポリマー構造と関係しています。
一般的な有機ゴムとは異なり、シリコーンポリマーの主鎖はシロキサン結合を中心とした構造を持っています。
この構造により、適切に配合されたシリコーンゴムは高温下でも柔軟性や弾性を維持しやすく、熱老化に対して比較的安定した性能を得ることができます。
ただし、実際の耐熱性はポリマーだけで決まりません。
フィラー、熱安定剤、架橋構造、顔料、難燃剤、導電性添加剤なども最終的な熱老化特性に影響します。
HTV・HCRシリコーンゴムの耐熱温度
工業用途でシリコンゴムの耐熱温度を検討する場合、HTV / HCRシリコーンゴムは非常に重要な材料です。
HCRはHigh Consistency Rubberの略で、加硫前に高粘度のゴム状コンパウンドとして存在するシリコーン材料です。
HTVはHigh Temperature Vulcanizingを意味し、高温加硫によって最終的な架橋構造を形成します。
HTV / HCRは押出成形や圧縮成形などに適しており、高温シール、チューブ、電線被覆、工業部品、電気絶縁部品などに広く利用されています。
耐熱グレードでは、一般的なHTVよりも高温での物性変化を抑えるための配合設計が行われます。
一般HTVと高耐熱HTVの違い
一般グレードと高耐熱グレードの違いは、単に「高い温度に耐えるかどうか」だけではありません。
高温にさらされた後に、どの程度の物性を残せるかが重要です。
| 評価項目 | 一般HTV | 高耐熱HTV |
|---|---|---|
| 通常温度での使用 | 適している | 適している |
| 高温での長期使用 | グレード仕様を確認 | 高温環境向けに設計 |
| 熱老化後の硬さ変化 | 温度によって増加する可能性 | 変化を抑えるよう設計される場合がある |
| 伸び保持 | 長時間高温で低下する可能性 | 高温物性保持を重視 |
| コスト | 一般的 | 特殊配合により高くなる場合がある |
シリコンゴムは200℃でずっと使える?
「シリコンゴムは200℃まで耐えられる」という説明をよく見かけますが、200℃という数字だけで連続使用を判断することはできません。
一部のシリコーンゴムでは200℃付近の高温使用が可能ですが、長時間使用すると徐々に物性が変化します。
例えば、熱老化によって以下のような変化が発生する場合があります。
- 硬度上昇
- 伸びの低下
- 引張強さの変化
- 弾性回復性の変化
- 圧縮永久ひずみの変化
- 色の変化
- 表面状態の変化
したがって、重要なのは「200℃に触れても形が残るか」ではなく、「200℃で必要な性能を何時間維持できるか」です。
250℃以上で使用できるシリコンゴムはある?
はい。250℃以上の高温域を対象とした特殊な耐熱シリコーンゴムも存在します。
ただし、これはすべてのシリコーンゴムに当てはまる性能ではありません。
高耐熱・超耐熱タイプでは、専用の配合技術によって高温環境での物性変化を抑える設計が行われています。
250~300℃領域の使用を検討する場合は、一般シリコーンゴムから選定するのではなく、メーカーがその温度域を対象として設計した専用グレードを確認する必要があります。
「短時間耐熱」「熱老化試験温度」「連続使用温度」を混同しないことが重要です。
シリコンゴムの耐熱温度と加硫温度の違い
シリコーンゴムでは、製造時の加硫温度と製品使用時の耐熱温度を混同しやすいため注意が必要です。
HTVシリコーンゴムは、成形工程で高温を加えて架橋させます。
しかし、例えば製造時に180℃で加硫したからといって、「この製品の最高使用温度は180℃」という意味にはなりません。
加硫温度は製造工程の条件であり、使用温度は完成したゴム製品がサービス中に受ける温度です。
加硫状態は耐熱性に影響する?
はい。シリコーンゴムが適切に加硫されていることは、安定した高温性能を得るために重要です。
加硫不足の場合、設計された架橋構造が十分に形成されていない可能性があります。
その結果、硬さ、引張特性、弾性回復、圧縮永久ひずみなどが本来の値に達しないことがあります。
高温環境で使用する部品ほど、材料選定だけでなく加硫工程の管理も重要です。
ポストキュアとシリコンゴムの耐熱性
一部のHTVシリコーンゴム、特に特定の過酸化物加硫系では、一次加硫後にポストキュアを行う場合があります。
ポストキュアは、一定温度で追加加熱する工程です。
材料によっては、ポストキュアによって揮発成分の低減や物性安定化を図ります。
高温用途で使用する場合には、メーカーのデータが「一次加硫後」なのか「ポストキュア後」なのかも確認する必要があります。
高温になるとシリコンゴムの硬さはどう変わる?
シリコーンゴムを長時間高温にさらすと、硬さが変化することがあります。
一般に熱老化が進むと硬くなる傾向を示す配合もありますが、変化量は材料によって異なります。
そのため、初期のShore A硬度だけで高温使用性能を判断することはできません。
例えば、初期硬度が同じShore A 60のシリコーンゴムでも、200℃で長時間熱老化した後の硬さ変化が異なる場合があります。
高温部品では、初期硬度だけでなく熱老化後の硬度変化も確認するとより実用的です。
高温になると引張強さと伸びはどう変わる?
シリコンゴムの耐熱温度を評価するときは、引張強さと伸びの保持率も重要です。
部品が高温下でも形を保っていても、伸びが大幅に低下して脆くなっていれば、本来のゴム性能を維持しているとは言えません。
特に振動、曲げ、引張り、熱サイクルを受ける部品では、長期高温後の柔軟性が重要になります。
高温用シリコーンを比較する場合は、可能であれば以下を確認してください。
- 初期引張強さ
- 初期伸び
- 熱老化後の引張強さ
- 熱老化後の伸び
- 硬度変化
シールでは耐熱温度より圧縮永久ひずみが重要な場合もある
高温用シールやガスケットでは、「材料が何℃まで耐えるか」だけでは不十分です。
シールは圧縮された状態で長期間使用されるため、圧縮永久ひずみが重要になります。
高温によってシリコーンゴムが圧縮された形のまま戻りにくくなると、接触圧力が低下し、漏れにつながる可能性があります。
シリコンゴムの耐熱性は厚さによって変わる?
材料そのものの耐熱性は配合によって決まりますが、完成部品の温度挙動は形状や厚さにも影響されます。
薄いシールと厚いゴムブロックでは、内部まで温度が上昇する速度が異なります。
また、金属部品に接触したシリコーンゴムでは、金属からの熱伝導によって局所的に高い温度を受ける場合があります。
高温部品では周囲温度だけでなく、実際のゴム表面温度や局部温度も確認する必要があります。
空気中と密閉環境では耐熱性が違う?
シリコーンゴムの熱老化は、温度だけでなく周囲環境にも影響されます。
高温空気中、高温油中、冷却液中、蒸気環境、密閉空間などでは、同じ温度でも材料の変化が異なる可能性があります。
そのため、カタログに記載された熱老化データが空気中で測定されたものであれば、油や冷却液に浸漬する用途にそのまま適用することはできません。
シリコンゴムは高温の油に強い?
シリコーンゴムは耐熱性に優れていますが、すべての油や燃料に対して同じ耐久性を持つわけではありません。
高温で油と接触すると、膨潤、硬度変化、重量変化、機械物性の低下などが起こる場合があります。
油や燃料への耐性が重要な用途では、一般シリコーンゴムではなく、フルオロシリコーンなど別の材料系が適している場合もあります。
必ず実際の流体、濃度、温度、時間条件で材料適合性を確認してください。
シリコンゴムは低温にも強い?
シリコーンゴムの特徴は、高温だけでなく低温側でも柔軟性を維持しやすいことです。
この広い温度範囲が、シリコーンゴムが自動車、電気、屋外設備、航空・産業機器などで使用される理由の一つです。
ただし、低温限界についても材料グレードごとに差があります。
極低温用途では、低温時の硬さ、脆化、シール復元性などを確認する必要があります。
シリコンゴムと他のゴムの耐熱温度の違い
シリコーンゴムが選ばれる大きな理由の一つは、一般的なゴム材料より広い温度範囲で使用しやすいことです。
ただし、材料選定は耐熱性だけでは決まりません。
| 材料選定項目 | シリコーンゴムで確認すべきポイント |
|---|---|
| 耐熱性 | 高温での物性保持と使用時間 |
| 耐油性 | 実際の油・燃料との適合性 |
| 圧縮永久ひずみ | 高温シールで特に重要 |
| 機械強度 | 引張強さ、伸び、引裂強さ |
| 電気特性 | 絶縁用途では専用グレードを選定 |
| コスト | 必要性能以上の特殊グレードを避ける |
シリコンゴムチューブの耐熱温度
シリコーンゴムチューブは、高温の空気、ガス、液体を扱う用途で使用されます。
ただし、チューブの耐熱温度はシリコーン材料だけでは決まりません。
以下の条件も重要です。
- チューブの内径
- 肉厚
- 内部圧力
- 流体の種類
- 連続使用時間
- 曲げ状態
- 補強構造の有無
高温になるほどゴムの機械的挙動が変化するため、圧力チューブでは温度と圧力を同時に評価する必要があります。
シリコンゴム製ガスケット・シールの耐熱温度
高温ガスケットでは、シリコーンゴムの耐熱性と弾性回復性を利用できます。
代表的な用途には、産業機器、電気機器、照明、バッテリー、モーター、家電などがあります。
高温シールを選定するときは、次の項目を確認してください。
- 最高連続使用温度
- ピーク温度
- 圧縮率
- Shore A硬度
- 圧縮永久ひずみ
- 接触流体
- 熱サイクル回数
電線・ケーブル用シリコンゴムの耐熱性
シリコーンゴムは、高温環境で柔軟性と電気絶縁性能の両方が必要な電線・ケーブルに使用されます。
HTVシリコーンコンパウンドを導体周囲に押出し、その後加熱加硫して架橋した絶縁層を形成します。
ケーブル用途では、耐熱温度だけでなく以下の性能も重要です。
- 絶縁破壊強さ
- 体積抵抗率
- 引張強さ
- 伸び
- 難燃性
- 熱老化後の柔軟性
- 押出加工性
EV・NEVで使われるシリコンゴムの耐熱温度
EVやNEVでは、高電圧、発熱、振動、冷却液、湿度など複数の条件が同時に存在します。
そのため、耐熱性に優れるシリコーンゴムは、バッテリー、コネクター、ケーブル、パワーエレクトロニクス周辺で使用されます。
| EV / NEV用途 | シリコーンゴムの役割 | 温度以外の重要性能 |
|---|---|---|
| バッテリーガスケット | 筐体シール | 圧縮永久ひずみ、熱老化 |
| 高電圧コネクター | シール・絶縁 | 絶縁性、引裂強さ、弾性 |
| 高電圧ケーブル | 柔軟な絶縁層 | 電気特性、柔軟性 |
| パワーエレクトロニクス | シール・保護 | 熱サイクル、電気絶縁 |
冷却液があるEV環境では耐熱温度だけで選ばない
EVバッテリーやパワーエレクトロニクスでは、シリコーンゴムが冷却液と接触する可能性があります。
この場合、空気中での200℃耐熱性能が優れていても、冷却液中で同じ性能を維持できるとは限りません。
冷却液との相互作用によって、体積、硬度、引張強さ、伸びが変化する可能性があります。
NEV用途では、温度 + 流体 + 時間を一つの条件として評価する必要があります。
複合碍子用シリコンゴムの耐熱性
高電圧複合碍子では、HTVシリコーンゴムがFRP芯棒の外装および笠部に使用されます。
複合碍子では一般的な高温シールほど高い連続温度が常に必要になるわけではありませんが、長期間の屋外使用に耐える材料安定性が重要です。
特に確認すべき性能には以下があります。
- 耐熱老化性
- 耐UV性
- 耐オゾン性
- 疎水性
- 疎水性回復
- 耐トラッキング性
- 耐エロージョン性
- 引裂強さ
- FRP芯棒との接着性
高電圧用途には電気絶縁向けに設計された専用HTVコンパウンドが必要です。
シリコンゴムの色は耐熱性に影響する?
色そのものだけで耐熱温度が決まるわけではありませんが、顔料はシリコーン配合の一部です。
高温環境では、使用する顔料によって色安定性や変色挙動が異なる可能性があります。
特に白色、透明、明色製品で外観変化が重要な場合は、長時間高温後の色変化を確認する必要があります。
高温用コンパウンドへ任意の顔料を追加すると元の性能が変わる可能性があるため、適合性を確認してから使用します。
難燃シリコンゴムと耐熱シリコンゴムは同じ?
同じではありません。
耐熱性は、高温環境でシリコーンゴムがどの程度性能を維持できるかを示します。
一方、難燃性は、火炎にさらされたときの燃焼挙動に関係する性能です。
高温に強い材料が必ずしも必要な難燃規格を満たすとは限りません。
電線、EV、高電圧機器などでは、耐熱性と難燃性を別々に確認する必要があります。
シリコンゴムの耐熱温度を試験する方法
実際の耐熱性を確認するには、一定温度で材料を熱老化させ、試験前後の物性を比較する方法が一般的です。
評価項目には以下があります。
| 評価項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| Shore A硬度 | 熱老化後の硬さ変化 |
| 引張強さ | 高温後の機械強度保持 |
| 伸び | 柔軟性・延性の保持 |
| 引裂強さ | 亀裂進展への抵抗 |
| 圧縮永久ひずみ | 高温圧縮後の復元性 |
| 重量・体積変化 | 流体との接触がある場合の変化 |
| 外観 | 変色、亀裂、表面劣化など |
耐熱シリコンゴムを選ぶときに確認する項目
高温用シリコーンゴムを選定するときは、最高温度だけで比較しないことが重要です。
- 連続使用温度を確認する。
通常運転時にゴムが受ける温度を明確にします。 - ピーク温度を確認する。
起動時や異常時に一時的に到達する温度も確認します。 - 高温にさらされる時間を確認する。
数分と数年間では必要性能が異なります。 - HTV、HCR、LSRなど材料タイプを選ぶ。
製造方法に合わせて適切なシリコーンを選定します。 - 硬度を決める。
Shore A硬度を部品の変形量やシール設計に合わせます。 - 熱老化データを確認する。
初期物性だけではなく高温後の変化を比較します。 - 圧縮永久ひずみを確認する。
シールやガスケットでは特に重要です。 - 引張強さと伸びを確認する。
高温後も必要な柔軟性を保持できるか評価します。 - 接触する流体を確認する。
油、燃料、冷却液、水、薬品などを明確にします。 - 空気中か密閉環境かを確認する。
周囲条件によって熱老化挙動が異なる場合があります。 - 電気性能を確認する。
ケーブルや高電圧部品では専用絶縁グレードを使用します。 - 難燃性が必要か確認する。
耐熱性とは別の性能として評価します。 - ポストキュア条件を確認する。
材料メーカーが指定している場合は適切に実施します。 - 実部品で評価する。
最終設計では実際の温度、荷重、流体、時間条件で確認します。
例:200℃付近で使用するシリコンガスケットの選び方
例えば、通常温度180℃、ピーク温度200℃の装置で使用するシリコーンガスケットを考えます。
「シリコンは200℃まで使える」という理由だけで材料を決めるのは不十分です。
少なくとも以下を確認する必要があります。
- 180℃での連続使用時間
- 200℃ピークの継続時間
- ピーク発生回数
- 圧縮率
- 圧縮永久ひずみ
- Shore A硬度
- 接触する油や薬品
- 熱老化後の伸び
- 熱サイクル条件
この条件を明確にして初めて、一般HTVで十分なのか、高耐熱HTVが必要なのかを判断できます。
シリコンゴムメーカーに確認したい質問
- 推奨連続使用温度は何℃ですか?
- 短時間の最高温度は何℃ですか?
- その温度は何時間を想定していますか?
- HTV / HCR / LSRのどのタイプですか?
- 一般グレードですか、高耐熱グレードですか?
- 硬度は何Shore Aですか?
- 高温熱老化後の硬度変化はありますか?
- 熱老化後の引張強さと伸びはどうなりますか?
- 圧縮永久ひずみのデータはありますか?
- ポストキュアは必要ですか?
- 油・燃料・冷却液との適合データはありますか?
- 電気絶縁用途に使用できますか?
- 難燃グレードはありますか?
- 押出成形と圧縮成形のどちらに適していますか?
- 実際の用途条件で追加試験が必要ですか?
シリコンゴムの耐熱温度に関するよくある質問
シリコンゴムの耐熱温度は何℃ですか?
シリコーンゴムの耐熱温度はグレードによって異なります。一般工業用、高耐熱、超耐熱など複数のタイプがあるため、使用温度と時間を明確にして個別製品の仕様を確認してください。
シリコンゴムは200℃まで使えますか?
200℃付近の高温環境に対応するシリコーンゴムはありますが、すべてのグレードが200℃で長期間使用できるわけではありません。連続時間と熱老化後の物性確認が必要です。
250℃に耐えるシリコンゴムはありますか?
はい。250℃領域を対象とする高耐熱シリコーンゴムの製品例があります。ただし、一般グレードではなく専用高耐熱材料として選定する必要があります。
300℃に耐えるシリコンゴムはありますか?
特殊な超耐熱シリコーンでは250~300℃領域を対象とした製品例もあります。ただし、その温度が連続使用条件を意味するとは限らないため、メーカーの具体的な試験条件を確認してください。
シリコンゴムの加硫温度と耐熱温度は同じですか?
いいえ。加硫温度は製造工程でゴムを架橋させるための温度であり、耐熱温度は完成したシリコーンゴムが使用環境で受ける温度です。
シリコンゴムは高温で硬くなりますか?
長時間の熱老化によって硬度が変化する場合があります。変化量はシリコーン配合によって異なるため、高温用途では熱老化後のShore A硬度を確認すると有効です。
シリコンゴムは高温になると溶けますか?
加硫済みシリコーンゴムは架橋された熱硬化性エラストマーであり、一般的な熱可塑性樹脂のように加熱すると再溶融して流れる材料ではありません。極端な高温では溶融ではなく熱劣化が進みます。
シリコンゴムの硬度が高いほど耐熱性も高いですか?
いいえ。Shore A硬度と耐熱性は別の性能です。同じ硬度でも配合が異なれば熱老化性能は大きく異なる可能性があります。
透明シリコンと着色シリコンで耐熱温度は違いますか?
色だけで耐熱温度が決まるわけではありません。ポリマー、フィラー、添加剤、顔料を含む完全な配合によって高温性能が決まります。
シリコンチューブは高温で使えますか?
高温対応シリコーンチューブは多くありますが、温度だけでなく内部圧力、流体、肉厚、使用時間も確認する必要があります。
シリコンガスケットは200℃で使用できますか?
対応可能なグレードはありますが、高温ガスケットでは耐熱温度だけでなく圧縮永久ひずみ、硬度、圧縮率、熱老化後の弾性を確認することが重要です。
HTVシリコーンゴムは高温用途に向いていますか?
はい。HTV / HCRシリコーンは高温シール、チューブ、ケーブル、電気部品などに広く使用されています。さらに高温が必要な場合は専用耐熱グレードを選択できます。
LSRも耐熱性がありますか?
LSRもシリコーンエラストマーのため優れた温度特性を持つグレードがあります。ただし、HTVとLSRでは加工方法や配合が異なるため、個別製品の温度データを確認してください。
EVでシリコンゴムが使われる理由は何ですか?
適切なシリコーンゴムは、耐熱性、低温柔軟性、電気絶縁性、シール性能などを組み合わせることができるため、バッテリー、HVコネクター、ケーブルなどに利用されています。
シリコンゴムの耐熱性を確認するには何を見ればいいですか?
最高温度だけではなく、連続使用温度、使用時間、熱老化後の硬度、引張強さ、伸び、圧縮永久ひずみ、接触流体などを確認してください。